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執筆者の写真Jun Takai

末続 見渡し神社春の例大祭

更新日:2022年4月2日


[ 満開の桜の下を出発する神輿。平均年齢は30代だがその中で末続に住んでいる人は半分いるかいないか。大学生活を都心で送る者、避難先に暮らす者、事情は様々だが皆で祭を守り続ける。「こんな桜満開の祭は初めてだ。」「今日は本当に最高の祭日和だ。」住民たちの晴れやかな声が響く。(2016年4月)]


今日は福島県いわき市久之浜町末続で例大祭が行われる日です。

思えば2013年の春から昨年まで7回連続でお邪魔していた春の例大祭。

今年は東京都の自粛要請に従い参加を見送ることにしました。

また今回は祭り自体も行政からの指導で規模を縮小し、地区役員と神主様によって御神輿への祈祷を行うのみと聞いております。(いつもとは違う形のお祭り、是非とも撮りに伺いたいところではありますが、苦渋の決断で我慢いたします。)


そこで、末続の皆様には普段の祭りの写真を見ていただく、末続以外のみなさんにはほっと一息ついてもらう機会として、このブログにお祭りの写真をあげたいと思います。

2019年の写真まで祭りを順番に載せていきますので最後までご覧ください。

2013年から2016年写真展で使用した写真より


ここで、末続をご存知なかった方のために昔書いた例大祭の説明を転載いたします。


福島県いわき市久之浜町末続地区の見渡し神社春の例大祭とは。。。

末続は海から内陸に向かって山間に細長く伸び、3つの地区に分かれている。それぞれに海側からシモ、ナカ、カミと呼ばれる地区だ。

4月に行われる例大祭の前日、神輿は海沿いの見渡神社から山側にある小さな社(御仮屋)に移される。本祭当日、白装束の男衆に担がれた神輿は天狗や花傘、神楽(獅子舞)と共に、各家庭を回りながら海を目指す。花傘は今では珍しい手作りで、集落の男手のみで作り上げらる。[筆写注:ここ3年で女性も作業に参加するようになりました。]

震災前は3 地区そ れぞれで作っていたが、震災後は祭り存続のために集会所に 集まって合同で作るようになった。少ない人手を補うためである。花傘の作り方は各地区で伝統に違いがあり、「アンタ のところの花はそうやって作るのか」「いやあ、俺らの傘の ほうがりっぱだべ」など震災前には互いに知ることのなかった「傘作り自慢」で集会所は盛り上がる。


神輿の担ぎ手は各家庭の長男で42 歳以下とされていたが、 近年は過疎化高齢化が進み、2014年にはついに最年長60 歳 の担ぎ手の姿も見られた。担ぎ手の高齢化は震災前からの地 域に根差した問題である。 一方で子育て世帯は避難解除後もほとんど戻ってきておらず、新しい土地での暮らしが始まっている。震災前に新調された子供神輿は、震災以降まだ一度も担がれていない。 2014年の祭りでは「少しでも雰囲気を変えられたら」という地区役員の提案で、子供神輿も軽トラに載せられ本神輿と共に集落を巡った。 そのような中でも、小さな子供を連れた親子が、テレビのニュースや新聞記事などで「末続を守る会」などの活動を見て「末続は大丈夫らしい」と祭りをきっかけに祖父母宅を訪れる姿が見られた。 2014年の祭りでは 4年ぶりに神輿が海に入った。震災・ 津波の影響で堤防が壊されたことなどに加え、原子力災害が 起きたことにより、たとえ科学的に安全であるとわかってい ても、次に神輿が海に入るのは何年先になるかと話していた のはつい前年のことである。「おらあっ!海入っど !」「えぇー 俺やだよ !」「さみいべ」「いくぞ ! ! !いくぞ ! ! !」。海に入る前は 担ぎ手から悲喜交々の声が聞かれたが海から上がってくると、みなやりきった明るい表情をしていた。 祭りを通して見えてくるのは、地域がもとより抱え、原子力災害によって加速した過疎などの問題と、伝統や暮らしを 守るために震災前よりも一体感の増した集落の姿だ。 高齢化が進み、子育て世帯はほとんど戻らないが、祭りなど行事で祖父母の家を訪れる子供たちの姿は増えている。問題を抱えつつも、末続を覆う雰囲気は明るさを取り戻してい る。子供神輿は本神輿の横でひっそりと出番を待つ。 『5:Designing Media Ecology』No.3 (2015年)より転載・加筆



それでは2018年、ナカ地区の新妻家の宿に宿泊して撮影


最後に少しではありますが2019年例大祭、天狗の世代交代の様子を。


末続の皆さんにはこれまでの毎年撮影してきた例大祭の写真が共有できるように準備をしております。

皆さま少々お待ちください。




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